審 判
1つの試合は主審1人、副審2人の計3人で行います。
主審は任命された試合に関して、競技規則を施行する一切の権限を持ち副審の2人は主審を援助する役割をします。
また、“第四の審判員”がいる場合もあります。
(副審は以前は「線審」「ラインズマン」とも言いましたが、現在は副審の権限が強化され、“アシスタントレフェリー”としてとらえられています。)
ポジション
以前はポジションが固定されていて、GK・FB(フルバック)・HB(ハーフバック)・FW(フォワード)と呼ばれていましたが、
1960年代頃からFBが前に出て攻撃に加わったり、FWがセンターあたりまで戻るようになって、次第に呼び名も変わりました。
現在よく使われている呼称には以下のようなものがあります。
「トップ下」 トップのすぐ後ろに位置し、アタッカーとして積極的に攻撃に加わる選手の事。
いわゆる司令塔のポジション。チームによって、フォワードまたはミッドフィールダーとして登録される。
「1.5列目」 トップ下またはセカンドトップの選手。フォワード(1列目)とミッドフィールダー(2列目)の中間という意味。
中盤の底 文字通り、「中盤の底」に位置するミッドフィールダー。ボランチ、守備的ミッドフィールダーを指す。
守備のバランスを取りながら、臨機応変に攻撃にも参加する
3−5−2 4−4−2
フォーメーション
フォーメーションとは選手の配置のしかたのことです。サッカーは各選手のポジションや役割が決まっていて、その配分方法でフォーメーションが変わっ
てきます。
@3−5−2システム
現在最も一般的なフォーメーションで、GK1人、DF3人、MF5人、FW2人の配分となります。最近の組識サッカーではほとんどがこのフォーメーション
です。
DFはフラット3の場合、3人が横一線に並び、ゾーンディフェンスを行ないます。また、通常の3バックでは、DFのうち1人がスイーパーもしくはリベロと
なり、守備を固め、残りの2人がセンターバックとなり相手のFW2人をそれぞれマンツーマンでマークするストッパーの役割となります。
MF5人のうち両端の2人はそれぞれウィングバックと呼び、攻撃時にタイミングよくサイドを駆け上がる役割と、相手のサイド攻撃に対して備える守備
的な役割を持ちます。残りの中央3人は守備的MFと攻撃的MFとに分かれますが、ここに関しては微妙な分かれ方となります。最近よく耳にするダブル ボランチの場合は守備的MFを2人配置しますし、攻撃重視布陣では攻撃的MFが2人となります。通常は相手からのサイド攻撃に備えて守備的MFが2 人の体制が多く取られます。また、3人は横一線と言うわけではなく、むしろバラバラに配置されます。
FW2人は中央左右に配置されツートップと呼ばれます。この2人もより前に位置する選手とそうでない選手とに別れることもあります。また、ゴール前
でもう1人のFWに最終的なパスを出すポストプレイヤーとなる場合もあります。
以上が3−5−2システムの概要です。
A4−4−2システム
前述の3−5−2システムと共に現在の主流となっているフォーメーションで、GK1人、DF4人、MF4人、FW2人の配分となります。
DF4人のうち、中央2人はセンターバックで3−5−2システムと同様の役割となりますが、3−5−2システムにはいたスイーパーもしくはリベロがいな
いためセンターバックの内の1人がその役割を兼ねることがあります。その時、センターバックの2人はリベロ的センターバックとストッパー的センターバ ックとに分けられます。また、残りの両端の2人はサイドバックと呼ばれ守備を重視しつつも、積極的なサイド攻撃への参加という役割を持っています。
MF4人は3−5−2システムの中央MFと同様、微妙な配置になります。普通は守備的MF2人と攻撃的MF2人となります。味方サイドバックのオーバ
ーラップ時にボールを奪われ、逆に攻め込まれた場合、この守備的MFのフォローが非常に重要となります。
FW2人は3−5−2システムと同じと考えてよいと思います。
以上が4−4−2システムの概要です。
Bその他のシステム
上記3−5−2システム、4−4−2システムの他にも3−6−1システム、4−5−1システム、4−3−3システムなど、多くのフォーメーションがありま
す。これ以上は説明してもきりがないのでこの辺にしておきます。
守備の戦術
サッカーは相手のゴールを狙うだけでなく、相手が狙っている自陣ゴールを守るのも重要なことです。ここでは守備に関する戦術について紹介いたしま
す。
@3バックシステムと4バックシステム
フォーメーションによる分類に似ているのですが、ここではDFの人数により分類されています。DFが3人の時は3バックシステム、DFが4人の時は4バ
ックシステムです。
3バックシステムは3−5−2システムの説明でも触れましたが、大きく分けるとフラット3と通常の3バックシステムに分かれます。フラット3では、3人の
DFが横一線でゾーンディフェンスを行ないます。通常の3バックシステムでは、1人がスイーパーもしくはリベロで、2人がストッパー役のセンターバックと なります。サイドの守備についてはMFのウィングバックやボランチなど守備的MFに任せることになります。
4バックシステムでは、4−4−2システムの説明でも触れましたが、2人がサイドを守るサイドバック、1人がリベロ的センターバック、1人がストッパー
的センターバックです。1人がリベロ的センターバックとなるため、相手FWを確実にマンツーマン守備できないので、それを守備的MFに補ってもらいま す。
Aマンツーマンディフェンスとゾーンディフェンス
守備の戦術として、もう一つの分類がこの方法です。
マンツーマンディフェンスは相手FW1人にDF1人がマンツーマンで守備する方法です。DF人数がFW人数以上であれば有効な方法です。しかし、相
手FWの動きによっては守備に穴があく可能性もあり、予想外の選手のオーバーラップなどには弱いという側面を持っています。
一方のゾーンディフェンスは、各DFが守る範囲を分担し、自分の守るべき範囲についてはきっちり守るという方法です。これは、相手FWより少ないDF
でも対応が可能なのですが、1人のDFの範囲に複数のFWが入ってきた場合に対応しきれないことがあります。
以上の二つの守備戦術はそれぞれの長所と短所が明確に別れているため、守備陣のリーダー(通常はリベロ役の選手)が各場面の状況に応じた戦
術に切り分けて対応します。
Bフラット3
3バックシステムの特別な形のフラット3ですが、こちらは前述の通り、3人のDFが横一線でゾーンディフェンスを行ないます。ここで横一線となっている
ディフェンスラインを巧みに動かすことで、ディフェンスラインの裏にあるスペースを相手に利用されないようにします。元々3人でのゾーンディフェンスとい うのは危険性が高く、このライン操作がこの戦術の成功の鍵を握っているといっていいでしょう。通常、中央のDFがライン統率にあたりますが、守備的M Fとの連携も重要になってきます。「フラット3」とは言っても決して3人で完結する戦術ではないのです。
攻撃の戦術
サッカーで最も重要なのは、点を取ること、すなわち攻撃です。ここでは攻撃に関する戦術について紹介いたします。
@2トップと1トップ
フォーメーションによる分類に似ていますが、ここではFWの人数により分類されています。FWが2人の時は2トップ、FWが1人の時は1トップです。
2トップでは、FWが2人前線でプレーします。フォーメーションの部分でも触れていますが、2人の内の1人がより前線にはりついてゴールを狙い、もう1
人が下がり気味でポスト的な役割などを受け持つパターンが多いようです。相手のDFからマンツーマンでマークされている場合は、それを逆手にとって 相手DFの動きをコントロールし、相手の守備網に穴をあけるようなことも行います。
一方、1トップは2通りのパターンが考えられます。一つは強豪チーム相手に守備を重視してカウンターでゴールを狙う消極的な戦術で現在はあまり使
われていません。もう一つは、強力なストライカーを擁するチームがそのストライカーに有効なパスを集めるために中盤を厚くする戦術です。しかし、2人 のストッパーのマークを1人のFWで振り切るのは容易ではなく、こちらもあまり使われないようです。
AMF、DFの攻撃参加
相手ゴールを狙うのはFWだけの仕事ではありません。時にはMFやDFの選手もゴールを狙うことがあります。
FWは通常、相手DFにマンツーマンでマークされていることが多く、これを振り切ってゴールを狙うのが難しい状態にいます。そこで、マークされている
DFを逆にコントロールして、相手守備網にスキを作り、そこにMFの選手が飛び込むといったことがよくあります。これを俗に「二列目の攻撃参加」などと 言います。
またDFも同様に、攻撃時にタイミング良く攻撃に加わることでゴールを狙うことがあります。特にサイド攻撃時のサイドバック(3−5−2システムではM
Fのウィングバック)や中央からのリベロなどがこれにあたります。
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